1965年~1969年

1971年 リフティングサポートⅠ型を開発

本装置は中央のネジシャフトにジャッキアップ用のCHジャッキと反力ナットを上下に備えた石油タンクジャッキアップ・ダウン専用機材として製作された。

 

当時は本装置の様なタンクアップ・ダウン機材は無く画期的な装置であった。

 

1974年 水島で石油タンクが破損そ重油が瀬戸内海に流出する大事故が発生

 

三菱水島製油所で石油タンクが損傷して重油が瀬戸内海に流出した。流出量は8万㎘にも及び、瀬戸内海の1/3が汚染されるという空前の大事故となった。

 

本事故を契機として石油コンビナート等災害防止法が制定され、また消防法が改定された。

 

国内石油タンクの総点検並びに補修が行われ、当社のリフティング装置が活躍した。

 

1976年 リフティングサポートⅡ型を開発

 

リフティングサポート型はネジシャフトに反力ナット、CHジャッキ、反力ナットと、積み重ねの構造の為機械高さが高くなり、ジャッキアップ量が多き時には上ナットを回す時に苦労した。

 

リフティングサポート型は型の欠点を改善した装置である。ブラケットにジャッキを2台取り付けて、ナットを下側に反力プレートを挟んで2個設置する事で機械高さを抑えることができた。

 

リフティングサポートにより石油タンクジャッキアップ・ダウン工事はほぼ独占的に就業した。

 

1977年 橋梁用送り出し装置開発

1977から1978年の間で送り出し装置は1号機から3号機まで開発された。

1号機は大型水平移動用ジャッキにて鉛直ジャッキを横移動する事で桁を送り出す構造であった。

2号機は1号機の構造に横位置修正機構が付属された。

3号機はスライド部に初めて浮上機構が採用された。浮上機構については4号機で説明する。

 

1979年 送り出し装置4号機 311TON型の開発成功

 

3号機はスライド部に初めて浮上機構が採用された。浮上機構とは熱い汁の入ったお茶碗が傾斜面を滑り出す現象を利用している。その原理とは、お茶碗の高台裏の空気が椀内の熱で膨張する。畳付が水蒸気により膨張した空気を外部に逃がさない役目をする。だんだんと空気が膨張すると、お椀を持ち上げる力が発生する。持ち上げる力W1は高台裏の面積Aと膨張した圧力Pを掛けた数値となる。お椀の重量W2と持ち上げる力W1=A×Pがバランスした時(W1=W2)、完全にお椀は浮いている状態であり、この時の摩擦力はほぼゼロとなる。

 

送り出し装置はこの浮上機構を利用する事により摩擦経数をほぼゼロにすることが可能となった。この最大のメリットは物を引っ張る時に作用する反作用力が小さくなる事に有る。高さの高い橋脚上部で大きな水平力を発生させた場合、橋脚には大きな曲げモーメントが発生して、その値に耐えうる構造にすれば橋脚のコストアップは計り知れない。また、摩擦係数が少ないことによる脈動が発生しない。脈動は摩擦係数が高く安定しないと「滑る⇒止まる⇒滑る⇒止まる」を繰り返す事により発生する。送り出し装置は浮上機構を採用する事で当時では画期的な装置となり多くの送り出し工事に採用され、「技術の大瀧」として大きなアピールとなった。