特殊ジャッキ・特殊装置

ワイヤークランプ装置 PAT

ワイヤークランプ装置PATは、独自の油圧機構によってワイヤーロープを直接クランプすることによりワイヤーロープを吊材として使用し、 従来のロッド式装置に比べはるかに優れた性能を有したジャッキ式吊上装置です。

コンパクトでありながら、能力1000kN/1台(吊上げ、吊下げ時は724kN)を有します。

  • 複数を並列に使用することによって、能力アップが可能です。
  • 油圧の特性によって、並列のワイヤーには均等の張力が作用し安全です。
  • 本体組立重量:約1200kg/1台
  • 油圧ホース/制御ケーブルで接続することにより、油圧ユニットを遠隔で設置可能です。

 

鉛直ジャッキストロークを500mm有しています。

  • 上下クランプの掴み替えと鉛直ジャッキの伸縮により、ワイヤーをアップ・ダウンします。
  • 標準ジャッキアップサイクルタイム 96sec/450mm
  • 標準ジャッキダウンサイクルタイム 113sec/450mm

油圧特殊機構によって、ワイヤー本体を直接クランプします。

  • ワイヤーコレットを油圧にて締め上げる構造で、クランプ力はワイヤー破断荷重以上を確保します。
  • もし、配管を破損しても、安全油圧機構により本体部分は油圧を保持し、クランプ力は確保されます。
  • 万が一、油圧力がゼロになっても、クサビ構造と摩擦力により、クランプ力は確保されます。
  • 1000回の繰り返し試験によって、耐久性を実証しています。

吊材に鋼棒でなく、ワイヤーロープを使用する点がポイントです。

  • フレキシブルであるので、吊点位置が多少異なっても対応が可能です。
  • ワイヤーをガイドすることによって、多少の角度が付いても、対応が可能です。
  • 張力によってワイヤー自体が適度に伸縮するため、張力管理が容易に出来ます。
  • 台船からの水切りにおいては、波による影響を最小限に抑えられます。
  • 余分は巻き取りにて容易に処理が可能です。
  • JIS規格品のワイヤーロープを使用します。 φ56mm

専用操作盤によって運転操作をおこないます。

【インターロック】

  • コンピューターによって、上下両方のクランプの同時開放は出来ません。
  • 上下両クランプ締付時は、ワイヤー保護のためジャッキの動作が出来ません。

【運転モード】

  • ステップモード:インターロック条件で動作可能な1動作を、スイッチの1プッシュによっておこないます。
  • サイクルモード:上昇・下降のいずれかのシーケンス動作を、スイッチの1プッシュによって自動的に繰り返します。
  • インターロック解除モード:準備作業などで両方のクランプを開放する必要があるときのみ、キースイッチによって設定可能です。 このモードの際は常時、警告表示と操作意思確認モードとなります。

【モニタリング項目】

ジャッキ状況を、操作盤液晶パネルにて常時モニタリングします。

  • ワイヤー張力(油圧ロードセル)
  • ジャッキ荷重(油圧力)
  • ジャッキストローク変位
  • クランプ締付圧力監視
  • クランプ締付状況監視
  • 重量物変位量(オプション)

 

徹底した安全性を有します。

  • 油圧による安全機構・・・・・・・・・・・・・油圧安全機構
  • 機械的な安全機構・・・・・・・・・・・・・・クサビ機構
  • 各種状態検出センサーによる安全管理・・・・・フェールセーフ
  • 制御システムでの安全機構・・・・・・・・・・インターロック
  • 破壊試験・耐久試験による安全性の確認
  • 出荷時の徹底したチェック・実荷重試験

重量物の吊上げ・吊下げだけでなく、さまざまな用途に対応が可能です。

システム構成 (基本構成)

  • ワイヤークランプ本体・パワーユニット・バルブユニット・操作盤を1セットとし、複数セットを組み合わせて使用します。
  • 1セットで、1台、2台、4台のワイヤークランプが運転可能です。
  • 連動ユニットと操作盤を追加することにより、4セット、最大16台のワイヤークランプ装置を同時に動かすことができます。
  • 機材と配管の組合せにより、4種類の運転モードがあります。吊上げ、横引きなどの使用用途に合わせて、運転モードを選択してください。
  • バルブユニットと操作盤間のケーブルの総延長は最大100mです。
  • 連動用LANケーブルの総延長は最大200mです。(25mは連動ユニットと操作盤間で使用します。)

使用例

  • 2セット使用し、1セットあたり4台のワイヤークランプを使用します。
  • 隣接する2つのワイヤークランプは同圧ですが、四隅の4組のワイヤークランプは異荷重で管理できます。
  • 連動操作可能(全点同時に吊上げ・吊下げができます。)
  • 最大吊上げ・吊下げ荷重 73ton×8台=584ton
  • 異荷重複数モード
  • 使用発電機:90kVA×2台
  • タイムサイクル 吊上げ:106秒 吊下げ:129秒


システム構成例

  • 4セット16台使用
  • 連動操作盤を使用し、全点連動操作
  • パソコンを使用し、荷重・吊上下量を収集管理